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俺がじっと見ていたことに気づいたようで、書類から目を反らし顔をあげにこやかに挨拶をされた。
「アキラ、おはよう。昨日はよく眠れたか?」
「おはのうござーます。眠れました!」
一緒に食事をとるのは3日ぶりなのでなんだかそわそわするなぁ。
イケメン二人とご飯を食べて、食後のお茶を飲んでいたら
「アキラ、そろそろお前が何処から来たのか教えてくれないか」
と、ディウブに言われた。
アーキルさんも神妙な顔つきで俺を見ている。
でも、俺がたぶんこことは違う世界から来たって言ったら頭おかしい奴だって思われないかな…
自然と俯いていたらしい俺の頭にすこし大きいゴツゴツした手がのってきて頭を撫でられる。
「貴方が何を言おうと否定しませんので、教えてくれませんか?」
「あ…うぅ…えと、」
優しく声をかけてくれたのに反応が怖くて顔をあげることができず、俯いたままポソポソとした話し方になってしまった。
「私がいた場所、『日本』です。ここ…あるぜーぶと違う。……あー、『異世界って何て言えばいいんだ』…すごく遠いとこで、帰れない…思う。」
顔あげれない…
俯いたままお茶を飲んでいると
どっちかがガタッと席を立つ音が聞こえた。
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