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豪華な部屋のベッドでむつけてる気がする例の佐々木さん…じゃなくて狼くんと、ドアの入り口付近で正座してる俺。
『あの…先日は助けていただいてありがとうございました。にもかかわらずあなた様の尻尾を踏んづけてしまいまして申し訳ありません…』
重い空気に耐えきれず敬語で(日本語)狼に話しかけ土下座をする。
端から見たらかなりシュールである。
尻尾踏んだのが悪いんだけどさ。
でもいい加減寝たいのも事実なので
「あの…」
と声をかけた。耳が動いてこちらに聞き耳をたてる。
「そっちで寝るしたいです」
そう伝えると「フンス」と鼻で息をしてからごろんと反対側を向いて隙間を作ってくれた。
「ありがとうございます」
いそいそとベッドに登り狼くんの隣へ。
このベッドで寝るのも慣れたもんだよ。
「初めて会った日、ありがとうございます。おやすみなさい」
言いたい言葉がわからなかったけど、お礼も言えたし。狼くんは意味がわからないと思うけどスッキリした俺は布団にもぐる。
たしたしと太ももにあたる尻尾に『あやされてんなぁ』と思いながら眠りについた。
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