326人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
顔を上げてみるとそこにいらっしゃったのは3択の内のひとつ、狼だった。
狼。オオカミとは、ネコ目(食肉目)イヌ科イヌ属に属する哺乳動物。広義には近縁種も含めることがあるが、通常はタイリクオオカミ(ハイイロオオカミ、Canis lupus)一種を指す。以上、Wikipediaよりお送り致しました。
はい。皆さん、想像してみてください。
森で美味しく水を飲んだあと後ろを振り返ったら目の前に(ぶつかるくらい近くに!!)狼がいました。貴女はどうしますか?
①叫ぶ
②そーっと距離をとる
③死んだフリ
せーかいはっ……
そのまま動かない!!!! でした!!
え? そんな選択無かったって?
知るか!? 選択なんてもんは自分で作るんだよ!!
相手の言い渡された道を選んじゃいけません!!
…なーんて心の中ではすっごく饒舌に喋ってる俺だが実際はただ単に顔真っ青にして硬直してるから動けないだけなんだけどねっ☆
やべぇよどうしよう佐々木さんみたいとか思ったけどそんな可愛いもんじゃないよ狼だよ!? 頭からがぶってされるんじゃ…
目線だけでちらっと更に上を見上げると大きな口から鋭い牙と垂れ下がる長い舌を確認し更に恐怖が募る。
俺の気持ちを知ってか知らずか、狼は口を閉じ匂いをくんくん嗅ぎ始めた。
頬にかかる吐息に生きた心地がせずカタカタと震え始める身体。
もぅ、一思いにガブっと食べちゃって!!
そうなけなしの勇気を滲む涙とともに念じた時目尻に湿った物体がかすった。
「え、」
思わず漏らしてしまう声と開いた目。
そこから見えたのは美しく金色に輝いた瞳だった。
最初のコメントを投稿しよう!