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「は、はなせっ!!」
新郎が怒鳴るとA子は歩くのを止め振り返った。
彼女は満面の笑顔で言う。
「一緒に行きましょう」
その表情と言葉に唖然としていると、近くで新郎を呼ぶ声がしてはっとすると、咄嗟に掴まれている腕を強く引き、腕が離れた瞬間に全力で声のした方へと走った。
声の主はこの式場に勤める友人で、控え室に居ない新郎を探していたのだった。
A子が追いかけてこないことを確認すると、何故ここにいたのかは曖昧に誤魔化しておく。
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