第一章

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 ジョウ、トーマ、シンラ、レナは揃って異能者の学ぶ特殊学校の生徒だ。  小さな頃から、手を使わずに物を動かしたり、予知夢を見たり、透視ができたり……そんな人間がこの国にはしばしば現れる。  そんな『異能力』を持つ子どもたちを親元から離し集めて、その能力をさらに引き出し伸ばすことが目的の施設に、4人は在籍していた。  能力順に、初級クラス、中級クラス、上級クラスに分けられ、互いに競い合いながらいずれは国の軍事機関へ送り込まれる運命の子たちだ。  昨今、人間界に近しい異世界のひとつ『冥界』が領地を広げようとやっきになっている。  冥界を抜け、魔族が人間界を脅かしているのだ。  ジョウたちのような異能者は、真っ先にそういった魔族との戦闘にぶつけられる。  強ければ、敵を倒す事が出来る。  斃れても、敵の情報収集には役に立つ。  そんな駒のひとつに仕立て上げられる、異端の子ども達。  それでも、悪ガキだが気のいいジョウ、変わり者だが優秀なトーマ、真面目すぎるが誠実なシンラ、ドジッ子だが可愛いレナは、過酷なカリキュラムをこなしながらも楽しい4人の毎日を過ごしていた。  こんな事件に巻き込まれるまでは。
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