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結局、深夜アルバイト松野が目を覚ましたのは午前6時前、早朝勤務の従業員が出勤してくる一〇分程前の事だった。
気が付いた時、彼は何故か店内の床の上に大の字になって倒れていた。
「夢オチ…………って、そんな訳ねえよな」
カウンターの上には表紙がくしゃくしゃになった週刊誌が無造作に置かれている。
ぼーっとした頭で昨夜の出来事を整理しようとするがそんな状態でまとも思考が働く訳もなく、靄のかかった迷路の様にはっきりとした答えにはたどり着けなかった。
その後、時間通りにやってきた早朝勤務の従業員に引き継ぎを済ませ、昇りきった朝日が照らす中帰路につく。
「帰ったら速攻で店長に電話しよう。別に妖怪が怖い訳じゃねえけど、どうもコンビニバイトってやつは俺に合って無かったみてえだしきっぱり辞めて…………別に何かにビビって辞める訳じゃねえけど!」
胸の中に硬い決意を秘める松野だが――――
後日、その決意に反し深夜のコンビニアルバイトとして毎夜毎夜、個性的な妖怪たちとの騒がしいバイト生活を送るはめになる事をまだ知らない。
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