2章

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「―――――――え」 声のトーンを一つ落としわざわざテーブルから身を乗り出して話を続ける店長。 「ほら、よく丑三つ時に――――なんて言うじゃない? あれって確か午前の二時…………いや、一時だったかな。まあともかくそれぐらいの時間帯にね、出るんだって。実際その時間帯に勤務していた従業員が体験したのが、急に店の電気が全部消え何が起きたのかと辺りを見回していると自分以外誰も居ない筈の店内から子供の笑い声が――――」 「ちょちょちょ、ちょっとタンマ!!」 滝の様な冷や汗を流しながら青い顔をした松野が店長の話を遮った。 「おや、見た目に似合わずこういう話は苦手だったかな」 意外そうに笑う店長とは対照的に冷や汗をかきながら引きつった顔を浮かべる松野。 「べ、別にビビってる訳じゃないっすけど。大体そういう話ってちょっと考えれば穴だらけっつーか、今の話だってちゃんと調べようと思ったら防犯カメラとかなんかそういうのを見れば実際なにがあったかなんて――――」 「それが…………信じられない事に…………」 店長の顔色がより一層深刻なものになる。 「し、信じられない事に…………?」 一時的な面接と使われているバックヤードの一室がしんと静まり返る。     
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