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ほんの僅かな明かりも無い空間で、どれほどの時間が流れたのか。十秒か、一分か、それとも一時間?
実際にはすべての明かりが消え十数秒、松野の眼球がその暗闇に慣れうっすらと店内の様子を伺える様になってきたと同時に彼の眼は異常な景色を映していた。
それは店内でなはく店の外。店の入り口である左右に開閉するガラス製の自動ドアを一枚隔てたその向こう。そこに存在したのは包丁を持った殺人鬼でもなければ両足の無い女の幽霊でもなかった。
自動ドアの向こう側には――――――
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