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夫と別れた帰り道、ようやく本当の幸せが訪れる と、心の力が抜けた私は、不注意だった。
まだ5歳の絵美が、繋いでいた手を離し車線に飛び出してしまったのだ。
私は向こうから向かってくるバイクの音に気づかなかった。
キキーッ ドンッ
バイクは慌てて去っていった。
ナンバーを控えようとしたが、動揺していた私にはできなかった。
結局、警察の調べによっても犯人を特定することはできなかった。
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何も言葉が出ない。
夫に裏切られ、唯一の宝物だった娘の絵美を死なせてしまった。
私の人生って何なんだろう。
孤独感と虚無感と罪悪感でいっぱいだった。
数日後、私は高層ビルの屋上から鳥になった。
それらの気持ちから解放されたのだ。
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