恋愛できないならば、結婚せよ

父の友人は変化を告げる

「そこで政府は少子化対策をせざるを得ない。少子化対策と言うのがつまり、婚姻数を上げる事だよ」

「なるほど」

「強制的にお見合いをさせる法律や一夫多妻制という事まで真面目に検討されているんだ。内閣府のホームページに『少子化社会対策について』という論文が掲載された。その内容は、今まではキャリアを積んでから結婚するという考え方だったがそれは失敗だった。そして、これからはキャリアを積みながら結婚生活をする時代だと書かれてるんだ」

「はあ……　」　結衣はゆで卵を頬張る。

「結論を簡単に言うと、これからは早く結婚すべきだという時代になるという事だよ」
「……　」
「だから君が時代の波に乗り遅れて、強制お見合いになる前に結婚させたいというのがお父さんの想いだ」