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「でも、私たちの大学で20歳で結婚したいって女の子はいませんよ」
「もうすぐ政府公共放送機構GCのコマーシャルを大々的に流すことが決まっている。そうすれば、あっという間に20歳の婚活が広がるよ。
皆が始めた後で君が婚活しても勝ち目がないというのがお父さんの心配だ。
あっ、すまん。余計な事を言ってしまった」
「もう!」 結衣は怒った顔でジャムトーストに齧りついた。
2人は食べ終わり、コーヒーを飲んでいる。
「話は分かりましたが、具体的にどうすればいいのですか?」
「そうだな、結婚への意識が変わっただけで8割は終わりだよ。だけど気になる事がある」
「気になる事ですか?」
「そうだ、君は今日髪の毛の手入れをしたか?」
早田は不自然な方向へはねている結衣の髪の毛を見ながら聞いた。
「あっ、今日はその、朝、早田さんが急に来たから…… 」
「ちなみに、最近髪の毛を切ったのはいつだ?」
「えーと、あれは半袖着てた頃だったような」
「おい、軽く半年以上は経ってるぞ。服を買ったのはいつだ?」
「ああ、それは大学に入学した時です。母が買って送ってくれました」
うっ、早田はコーヒーを吹き出しそうになった。
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