父の友人は変化を告げる

11/49
前へ
/228ページ
次へ
結衣はゆっくりとショップの立ち並ぶフロアーを歩き始まる。 早田は少し後方から結衣に付き添う形だ。 「えーと、ここかな」 結衣が、ちょうど通りかかった店に入って行こうとすると、早田が引き止めた。 「ここは年齢層が高いかな。 客層を見て。お客さんが30代から40代の女性ばかりだ」 「あ、なるほど」 結衣はそう言いながらまた歩き出す。 フロアーにはお祭りさながらにファッションの店舗がひしめき合っており、狭い通路には女性たちの熱気が溢れている。 「じゃあここで」 早田が見たところ、結衣が入ろうとしている店は、明らかに本人とは違う雰囲気の様だ。 「随分思い切ったな。 何となくキャバクラ系で、それに君には少しキツそうだけど…… 」 「ええっ、そんな派手ですか? 」 「スカート相当短いよ。 試着してみる? 」 結衣は慌てて店から出てきた。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

123人が本棚に入れています
本棚に追加