父の友人は変化を告げる

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「我々は、内閣府の主催する少子化社会対策会議によって設立された特命機関『先端技術応用少子化社会対策機構』通称『A T D B 』に所属する特命部員だ。 表向きの所属は結婚推進機構と言う外郭団体になっている。 内部に対してはATDB,外部に対しては結婚推進機構と言う使い分けだが、今はあまり気にしなくてもいい。どちらも同じだと思ってくれ」 「仕事の概要は国家プロジェクトとして、結婚を支援している。そして今我々がいる場所はATDBの所有する研究所だ。疑問の答えになったかな?」 「国家プロジェクト―― 」 結衣は自分の結婚が国家プロジェクトの対象になっていると思い、思わず驚きを口にしていた。 「ただ、結衣さんの場合はATDBとは無関係で、今朝言った通り私が個人的に御父様との関係で引き受けただけだ」 早田が説明を加えると結衣は小さく頷いた。
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