国家プロジェクト

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アダルトBOYの演奏と同時にオーバーライトは進行していき、いよいよ最期の曲となった。 その時ボーカルのRyoがスタッフから差し出された紙切れを受け取りマイクに向かう。 「最期の曲の前に、主催者からのメッセージがある。代わりに読むから聞いてくれ。 『最期の曲が終わったら結婚を考えてくれ』 (?? ………… ) ちょうど最期の曲もラブバラードだ、オーケー。いこう」 そして演奏が始まる。不思議なことに観客は熱狂することもなく、むしろ頭を垂れて眠るような様子である。 アダルトBOYは違和感を覚えながらも最期の一音を歌い上げステージに幕を下ろした。 コンサートが終了し観客席に明かりが灯ると、彼方此方で見知らぬ男女が声を掛け合う。 「あの、初対面やけど変に思わんといて。結婚を前提に付き合うてくれへん?」 「うん、勿論、ええよ。私も凄く結婚したいって思うとったとこや」
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