ブラックオフィスレディ 【R-18】  ep.8

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異世界へ続いてそうな引手のドアを開け、日和くんが「どうぞっ!」と促してくれる。 エスコートされても全く嬉しくない地へといざ足を踏み入れ、軽い深呼吸と共に薄目を開けると、飛び込んできたのは意外な光景だった。 まず第一印象として、思ったよりも店内が明るい。 それも、いかがわしい店にありがちの色付きライトを使った淫靡な明るさではなく、視界が落ち着く一般的な照明。 天井はそう高くないけれど、その分隅々まで綺麗に掃除されてるのがよくわかり、煤けやほこりも全然見受けられない。 肌に当てる商品が多い分、清潔感は大事だ。この辺は紹介するには良いポイントかも。 好印象を抱いたところで、他にも記事にしやすい部分はないかと目を凝らす。 そして、入口から見てすぐ正面の通路にある丸いテーブルに注目。 パステル調のクロスがかけられ、その上にいくつかの商品が置かれている。 どうやら週替わりでピックアップしたものらしく、『今週の注目商品』と書かれたボードも立てられていた。 まるで本屋やCDショップのように、ひとつひとつの商品に対し手書きと思えるポップが付きそれぞれのポイントが説明されている。 もちろん置いてあるのはアダルトグッズの代表といえる商品ばかりだけど、思ったより丁寧な売り方してるんだなあ。 地味に感心しながら眺めていくと、ところどころに花の形をした入浴剤などが置かれてることに気づいた。 装飾代わりかな?なんだか雑貨屋みたいで可愛い。 思わずクスッとしてから手に取り、裏面に書かれた『お湯も心も泡立つ夜~媚薬入り入浴剤』の文字を見て速攻元に戻す。 そんなメインともいえる通路を抜けて奥に進むと、スーパーのごとく何列にも連なる棚に、様々な用途の商品が並んでいた。 ちゃんと天井から、どこに何があるかの案内札も下がっていて、パッと見でも目的のものを探しやすい。 通路幅も程よく取られているからすれ違いも苦じゃないし、これがもしドラッグストアやディスカウントショップだとしたら相当親切な造りだろう。 むしろ、所見じゃここがアダルトグッズのお店だなんて思われなそうだけど・・・
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