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おススメランキングの№1はローションかあ。
全身に使えても、アンチエイジング効果はないでしょうね。
「ゆきんこさん、ローションお探しですかっ?」
「い、いいえ、そういうわけじゃ」
もう店員モードになってる日和くんをやんわり躱し、さらに店の奥へと進む。
ふーん、何気に女性用と男性用に売り場を仕切って分けてるんだ。
怪しい商品ばかりかと思いきや、バストアップサプリにデリケートゾーンのデオドラントなど、女性特有の悩みに特化したものも置いてある。
その一つに、アンダーハートで紹介という説明文がついているのを見つけた。
「あ、それ東雲さんに頼まれて扱い入れたんす。せっかく提携で通販してんだからって。結構売れるんすよね」
「へえ・・・」
感心した口ぶりの日和くんに、ドヤ顔でもしてないかとチラッと東雲さんを見てみる。
が、何も言わずに涼しい顔のままだった。
人の事はすぐからかってくるわりに、自分を評価する話題にはあんまり乗らない。
今次さんなら『そーでしょそーでしょ!!俺絶対当たると思ってさあ』うん、うるさい。
「こういうのもあるなら、女性のお客様も・・・」
いや・・・一人もいないな。
ぱっと辺りを見回しても、中にいるお客さんは男の人だけ。
しかもグッズではなく、アダルトDVDのコーナーに固まっている。真昼間からサラリーマンっぽい人がいても複雑だけどね。
「女の人が一人で来ることは滅多にないっすねえ・・大体カップルですよ。その分ネットでの注文はめっちゃ多いっす。送料かかるし
実物見て買った方が良いと思うんすけど」
「だって。買ってく?二個までなら経費で良いよ」
「今日は取材だけなんで結構です。・・・日和さんも、おススメはこれみたいな顔しなくて大丈夫ですよ。でも意気込みなんかは聞きたいですね、WEBで紹介しますので」
「えっ俺をっすか!?」
「さすがに写真は載せませんが、有能な店員さんがいるので安心とは書かせてもらいます」
「まいったなー、えっとぉー」
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