ブラックオフィスレディ 【***】 ep.8

ブラックオフィスレディ 【R-18】 ep.8

昼休憩も終わり、編集室にもなんとなく微睡が漂う午後１３時。
響くのはそれぞれがキーボードを叩く音と、書類をめくる音、時々吹きすさぶ風が窓を揺らす音。

もしもここが一般的なオフィスで、ひたすら打ち込むデータも数字に塗れてるだけだとしたら確実にウトウトしている。
『読んで脳に意味を考えさせる』ことで睡魔よりも衝撃が勝る分、感謝しないといけないかな・・・

この「女の子の本音☆私のアダルトグッズ事情」にも。

えーと次の項目はグッズの購入法で、購入経験のある５００人の女子に調査・・ってすごいな。

『　・７０％以上が通販を利用している
　　・家族と同居の人は何を買ったかバレないようにコンビニでの受け取りが多い
　　・最近は中身を偽って発送してくれる業者が多いから配達でも安心　』

うんうん、この辺は大体想像がつく。
あからさまに品名なんて書かれちゃ宅配業者の方だって気まずいもんねぇ。

「小雪ちゃん、なに見てんの？楽しそうだね、俺も混ぜてっ」
「別に楽しくはないですけど混ざりたいならぜひどうぞ。これ打ち込んで下さい」

毎回毎回無駄に取っついてきやがって、アンタは取材以外暇してんのか？
今日のデータはいつもの倍以上あり、若干余裕がなかった私は表情も変えず書類の半分を手にし、今次さんのデスクに置いた。

どうだ、ちょっと真野さんっぽかっただろう。
本人もそこにいることだし断るすべはないはず、さあ大人しく手伝え・・・

「じゃあ打つの楽なように、俺音読してあげるね～！初心者にも買いやすい通販サイト・・」
「あー、良いですいいです、間に合ってます」

ったく、東雲さんに続いてああ言えばこういう男め。