ブラックオフィスレディ 【R-18】  ep.8

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「気が散るから黙ってやってくれ」 ほらもう、真野さんにも睨まれるし。 なんで私が怒られるんだよと言いたい気持ちを堪え、今次さんの元から書類を回収して再び積み上げる。 音にするとドンって感じ。まだまだ先は長い。 「小雪ちゃんはおもちゃどこで買う派?店?ネット?」 「イラッ」 「口で言った!アハハハ」 あー殺したい。もうヒットマンを待たずともこの手で殺ってやろうか。 物騒な思考に偏っていく自分を落ち着かせたくとも、ムカつくほどキラキラと覗き込む笑顔がそれを邪魔する。 「今真野さんに言われたばかりでしょ、話しかけないでくださいよ」 「別に仕事の話題なら良いじゃん。編集者はどこがおススメか~の意見大事っすよね、まーのさん!」 こ、この男~!!指が滑った振りしてお前の秘孔ついてやろーか! 文字を打つ手を止め、今次さんの息の根を止める方に移行しかけた私を見かねたのか、梶浦さんが苦笑しながら「今次はどこが良いと思うのさ」と問いかけた。 さすが気遣いの出来る男、通常時の梶浦さんはやはり頼りになる。 「俺はやっぱ店かな~。ネットって外れも多い気がする。評価高すぎもサクラの可能性あるしさ」 「ああ、その意見意外と多かったね。思ったのと違うとか」 「服や靴と同じで、使用感は人それぞれだもん。まず手に取ってみないとっすよね~」 狙い通り今次さんは椅子の向きをくるっと変え、そのままカラカラと梶浦さんの元へと進んでいった。 よしよし、そのまま相手しててくれ。 今の梶浦さんは保護者モード、幼稚園児の世話などたやすいはず・・・ 「でも今返金保証ついてるとこもあるんだよ」 「えっ、こういうのでも?」 しまった――予想外の情報に思わず反応するなんて、私としたことが。
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