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市街地に入った一行が驚いたのは、目前に広がるとある建造物だった。 「何あれ?……壁?……」 驚いた様子のエリスが言うように、町の遠方には巨大に広がる壁が見えていた。 町に入った一行が見える程だ……その大きさは安易に想像できた。 驚いた様子の一行に、ロックが言った。 「噂には聞いていたが……あれほどデケェとはな……」 ユイがロックに言った。 「なんなのさ?あれ……」 「あれが、ライフシティーが白と黒の町と言われる理由だ」 マキが言った。 「つまりどういう事ですか?」 「俺も生で見るのは初めてだが……ライフシティーは川を挟んで二つの地域でできている。つまりあのデケェ壁の梺(ふもと)には川が流れてんだよ」 エリスが言った。 「じゃあ、あの壁が町の中央線みたいな物?」 「まぁな……だが、話はそんな単純じゃねぇ……」 皆は不思議そうな表情でロックを見ていたが、ロックは続けた。 「色で例えるなら……今俺達がいる場所が白で、あの壁の向こうは黒……ダウンタウンだ」 ユイが言った。 「ダウンタウン?」 ロックは険しい表情で言った。 「この町は貧富の格差が物凄くてな……あの壁で貧しい者と、裕福な者を区切ってのさ……。それがこの町の闇の部分だ」 「そんな……何でそんな事を?」 悲しそうな表情のエリスに、ロックは言った。 「俺も詳しくは知らねぇ……戦後にこうなったからな……」 ユイがロックに言った。 「つまり統一戦争が理由でこうなったの?」 「さぁな……あの戦争が全く関係ねぇとは思わねぇが……。ハッキリした理由はわからねぇな」
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