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ジルはロック達に外に出るように言った。他の患者の手前、外で話した方がいいと判断したのだろう。 病院の裏手に移動した一行は、これ迄の経緯をジルに話した。 「なるほど……そちらの御老人の為にわざわざライフシティーに……」 ジルは腕組みをし、険しい表情をしている。 マキは言った。 「医療費が高額なのは知っていましたが……ここまでとは思わなかったので……」 エリスが言った。 「どっか他にいい病院はありませんか?もう少し費用のかからない……」 ジルは難しい表情で言った。 「う~ん……紹介したいのはやまやまですが……ライフシティーの治療費は一律でして、どこも同じなのですよ」 するとユイが言った。 「じゃあさっ!院長の権限でまけてよっ!」 ユイの突然の値切りに、ジルは驚いた表情をしたが、すぐに首を横に振った。 「残念ですが……それは院長の権限で出来る事ではないのです」 ロックが言った。 「どういう事だ?アンタ院長だろ?」 「この『国』の法律で決まっているのです……破れば私達にも罰が下ります」 ジルの『国』と言う言葉に、ロックは眉間にシワを寄せた。 統一戦争が終わって、ライフシティーも含めて国として独立していた地域は、全てアデルの管理下に置かれ、国ではなく地域として残された。 よって、ジル言う『国』と言う言葉に、ロックは違和感を持った。 「国だと?……アデル管理下の地域は国と名乗れないはずだが?」 ジルはロックを険しい表情で見た。 「アナタ……色々詳しいみたいですね」 ロックは耳をほじりながら言った。 「誰でも知ってんだろ?そんな事より治療費まけろよ」 ロックにまで値切られたジルは、溜め息をついて皆に言った。 「仕方ありませんね……言ったところで引き下がりそうにありませんから……少し待っていて下さい」 そう言うとジルはロック達を残して病院に入っていった。 ユイは期待を膨らませた感じで言った。 「まけてくれんじゃないっ?値切り成功だよっ!」 エリスが言った。 「そんな感じだったかなぁ?」
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