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ロック達はジルから預かった紹介状を頼りに、町の南へ来ていた。 南へ向かえば向かうほどに、壁の大きさに圧倒される。 灰色の巨大な壁は、まるで「この先は別の世界だ」と言っているようなオーラを醸し出していた。 壁の梺にはロックが言っていたように川があった。 川の幅は約20mと言ったところか……巨大な川で崖に囲まれている。 この巨大な川は海まで繋がっており、ライフシティーを正に真っ二つに割っている。 そんな巨大な川には一本だけ大きな橋が掛かっており、橋の真ん中に関所のようなものが存在していた。 「まるで国境だな……」 ロックが言うように、国境のような壁は「壁から先はライフシティーでない」と言わんばかりの、ふてぶてしさがあった。 ロックはユイとマキに言った。 「こっから先は俺とエリスで行く。お前らはウィングで待ってろ」 ユイは怪訝な表情で言った。 「なんでさぁ?アタシも行きたいのにっ!」 ロックはユイに言った。 「こっから先は治安が180℃変わるぜ……病人のバァさんには適してねぇよ。だから俺らが先に様子を伺う」 「だったらアタシも……」 「ユイ……私達は戻りましょう……」 引き下がらないユイをマキが宥めると、マキはロックにお辞儀をした。 「ロックさん、エリスさん……よろしくお願いします」 「姉ちゃん……」 納得のいかないユイをスルーして、エリスはマキに言った。 「任せといてマキさん……お医者さん見つけてくるから……」 「そんじゃ行きますか……」 エリスとロックは橋を渡り、関所を目指した。
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