第九話 エリスの想い ①

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ロックは眉間にシワを寄せて「チッ」と悪態をついた。これ以上、大バァに食い下がったところで、何も引き出せないと思ったからだ。 「わたし……ちょっと外出てくるね……」 エリスはそう言うと、部屋をあとにした。 ロックがジンの方を見ると、ジンはロックに対して無言で頷いた。 ロックも無言でジンに頷き、エリスの後を追って部屋を出た。 大バァからの話で、特に有力な情報を引き出せた訳ではなかったが……。 「一つわかった事がある……」 そう言ったジンに、ユイとマキは目を丸くした。 マキが言った。 「わかったって……何が?」 ジンは言った。 「アレルガルドは、エリス以外の人間も知っていた……という事だ」 ユイが言った。 「それがなんなのさ?」 「つまりアレルガルドに関する情報が、世界に散っているという事だ。それだけでも進展したと、言ってもいい……」 マキが言った。 「途方もない旅になりますよ……」 ジンはニヤリとした。 「問題ない……。最初から世界を回るつもりだったけらな……」 ユイは感慨深い表情でジンを見た。 (コイツもロックと一緒だ……。なんか大きく見える……) ジンはマキに言った。 「ライフシティーには、責任を持って送り届けるから、安心していい……。それにライフシティーに行く事は、我々にとっても好都合になった」 ユイは怪訝な表情で言った。 「好都合って?」 ユイの問にジンが答える事はなかったが……代わりにジンの表情は、何かを企むような笑みをしていた。
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