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ロックは眉間にシワを寄せて「チッ」と悪態をついた。これ以上、大バァに食い下がったところで、何も引き出せないと思ったからだ。
「わたし……ちょっと外出てくるね……」
エリスはそう言うと、部屋をあとにした。
ロックがジンの方を見ると、ジンはロックに対して無言で頷いた。
ロックも無言でジンに頷き、エリスの後を追って部屋を出た。
大バァからの話で、特に有力な情報を引き出せた訳ではなかったが……。
「一つわかった事がある……」
そう言ったジンに、ユイとマキは目を丸くした。
マキが言った。
「わかったって……何が?」
ジンは言った。
「アレルガルドは、エリス以外の人間も知っていた……という事だ」
ユイが言った。
「それがなんなのさ?」
「つまりアレルガルドに関する情報が、世界に散っているという事だ。それだけでも進展したと、言ってもいい……」
マキが言った。
「途方もない旅になりますよ……」
ジンはニヤリとした。
「問題ない……。最初から世界を回るつもりだったけらな……」
ユイは感慨深い表情でジンを見た。
(コイツもロックと一緒だ……。なんか大きく見える……)
ジンはマキに言った。
「ライフシティーには、責任を持って送り届けるから、安心していい……。それにライフシティーに行く事は、我々にとっても好都合になった」
ユイは怪訝な表情で言った。
「好都合って?」
ユイの問にジンが答える事はなかったが……代わりにジンの表情は、何かを企むような笑みをしていた。
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