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……飛空挺ウィング甲板…… 大バァの話にあらゆる可能性を見出だし、少し戸惑い気味のロックとエリスは、大空を駆けるウィングの甲板で、ただ風を受けていた。 綺麗な金色の髪を掻き上げるエリスの表情はどこか感慨深く、それを見ているロックの表情は険しい。 確信的な話ではなかったが、エリスの力の代償が生命力だった場合……多用は禁物だ。 それに探し求めているアレルガルドも、消えたという言い伝えで、エリスの心中も穏やかではないはずだ。 しかしそんなエリスは唐突にロックに言った。 「ロックは……何でわたしと一緒に来てくれてるの?」 突然の問に、今まで険しかったロックの表情は驚きに変わった。 ロックは頭を掻きながら言った。 「お前の力に興味があるって……言わなかったか?」 「はぐらかさないで……アンタ10年もアデルから出なかったんでしょ?そんなアンタが今はこうして飛んでいる。何でなの?」 ロックは顔をしかめた。 「お前の力に興味があるのは……嘘じゃねぇ」 ロックの言葉に、エリスは目を丸くした。 「似てんだよお前が……知り合いに」 「その人は?」 エリスの問に、ロック表情は暗くなった。 「死んだよ……統一戦争でな……」 「ごめん……」 深く聞きすぎたと思ったエリスは、ロックに謝ったが、ロックは軽く笑った。 「へっ……気にすんな。だからお前に付いていく理由はそれだよ」 エリスはロックの感慨深い表情を見て、これ以上質問ができなかった。 しかしエリスは感じていた。 (言いたくないんだ……。表情を見ればわかるよ……) そんなエリス気持ちを、知ったかどうかは定かではないが、ロックはエリスに言った。 「エリス……旅を続けろよ。見届けてやるよ……俺が……」 エリスはロックの初めて見せる優しい表情に、少し胸が熱くなった。 「ロック……」 いつもの悪い笑顔ではなく、包み込むような優しい笑顔……。 (いつか……話してくれるよね……) エリスはロックに言った。 「ロック……わたし……見つけてみせるよ……アレルガルドを……」 ロックはエリスの頭をポンと叩いた。 「『わたし達』だろ?」 エリスは笑顔で頷いた。 「うんっ!」 (ばぁちゃん……わたし……仲間ができたよ。とっても大切な人達……わたしの仲間……)
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