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アリエルの言葉にジュノスは一瞬目を見開いたが、すぐに苦笑いした。 「クククッ……先輩はトラブルが好きみてぇですねぇ……」 アリエルは淡々と言った。 「ライフシティーは左大臣派の管轄ですから……」 ジュノスはアリエルに問いた。 「姐さん……先輩をどうするつもりです?」 ジュノスの問に、アリエルの表情は一瞬ピクリとなったが、すぐに元に戻った。 「別に……かつての同士の動向が気になるだけです」 「白々しいでさぁ……。先輩は何も変わってませんぜ……ガキの頃から何も……」 ジュノスの脳裏に子供の頃の想い出が浮かび上がった。 それは小さな教会で学業に勤しむ子供達……その中に幼い頃のロックとジュノスの姿もある。 アリエルは微笑した。 「フッ……同門の貴方が言うのなら、そうなのでしょう……。私もよく思い出します。ハーネスト、ヤマト、ジュノス……貴方達と共に戦った頃を……」 ジュノスは立ち上がった。 「懐かしんでばかりもいられねぇでさぁ……。左大臣派の活発な動きが、どうも気になりやすからねぇ……ぶつける気ですか?奴等に先輩を……」 「まさか……。ハーネストがこのような事に剣を振るわないのは……貴方が一番知っているでしょう?」 ジュノスはアリエルの目を見た。 「でも……イレギュラでぶつかる事は、起こりえる。しかも先輩らの次の目的地はライフシティー……」 アリエルは目を閉じた。 「私は嫌な女ですね。かつての同士を利用して、政敵の排除を目論む……」 「弱音ですかい?」 「いえ……独り言です。我々は立ち止まる事を許されないのですから……」 再び開いたアリエルの目は力強く、遠くを見つめていた。
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