第一章 別れる世界

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 率直な感想で行けば、見た目は十代半ばか、後半位の女の子。髪色が灼熱色であり美しい。その長い髪をポニーテールにしている辺り、綺麗な表情と相まって抜群とも言える。  スタイルも良く、胸も出るだけ出ており、細身の身体は和服姿でも判断つく程で、その服装も少し変わっている。赤色主体で、炎と蝶の柄のドレス風の着物となっており、おしゃれ勘が伺えるのだ。 「フフフッ、どうだ? (わらわ)の姿を見て驚いたか? 偉大な者が登場し、身も竦み上がっておるな~?」 「……いや」 「嘘を申すな? これだけすれば、人間ごときの痩せ我慢、直ぐに化けの皮が剥がれるぞ」 「そうだな。では、何か裁判するんだろう? 始めてくれ」 「――ま、待て待て、……貴様は、目の前に居るのが誰かわかっているのか?」  急に動揺する彼女であるが、実際問題、開廷の文字が口に出されたなら、行う行為など決まっている。なのに、こんなに必死になっているのか。それでも別に自身が取り乱す事は無い。 「裁判官だろう?」 「……合ってはいるが、本当に解らないか?」 「裁判官以外なら、何て言えばいい?」 「いや……ほら、この状況下で……そう、お前は死んだのだ。だからこそ、その者を裁くとすれば……」 「ああ、偉い人だから、もっと驚けと言うか??」 「――暗闇天女(あんこくてんにょ)よッ! 人間とはこんなのばかりか!?」  ついつい、痺れ切らす。炎に現れた女性の一人が、その言葉に反応して頭を下げたまま喋り出す。 「――ハッ、大変申し上げ難いのですが、その者は些か特殊な霊かと思われます」  畏まりながら、それでいて敬意を示す言い方。明らかに赤髪の女性の方が歳は若そうだが、立場の違いが伺える。 「何が特殊なのだ……まったく……おい! 男よ。良く聞け。妾は閻魔(えんま)である」 「……そうか。閻魔か……女なんだな」 「――お前……妾が閻魔だと聞いても何も思わないのかッ!?」 「いや、だから女であるのが意外だったと言ったのだが」  確かにそう告げたのだが、閻魔は顔を赤くさせて、ふるふると何やら怒りを込み上げさせている。そんなに怒りを高めて貰っても、此方はそのまま述べたので困ったものだと思い、頭をかいていた。
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