第六章 永住地に必要な条件

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「カヅメ様、その乗物ですが……どの様にすれば、短時間でアルタート大陸へ向かう事が出来るのでしょうか??」  続き巫女の問いに、ああ。と、思い出す。果たして、この説明で納得行って貰えるか、少し不安を抱く。 「空飛ぶ船を使います」 「……はい?」 「――は?」  魔法世界レボルーヌ生まれの女性は、何か強い衝撃受け、ぼやけた口調。その中、声にしないが、閻もまた、目をやや見開く。 「今、依頼しているのは、飛行船と呼ばれる空中を移動するものです」  続ける補足に対して、更に付いて行けないのか、リナリーに関しては、獣耳までハテナマークになっている感じすらする。 「シト様……わたし達の世界で、空を飛ぶ魔物を利用しても、そんな短時間で移動不能でして、想像し難いかと思われます」 「まあ、飛行機無ければ、想像も出来ませんか。シターラスールで二日でしたっけ? まあ、それが数時間であれば尚更かな。樹莉、説明出来るか?」 「うん。えっと〜空を飛ぶ原理について??」 「簡単に説明してくれるか?」 「わかりました! それじゃあ、簡単にお話します……」  意気揚々と説明するのは、木龍の特性。五龍が一つ、木龍は(しな)やかな思考と奇抜な術式を扱う事。木行に由来しているチカラで、木々花々を操り、八卦の介して風・雷の加護を持つ。  この加護である、風を扱う術式を船体に組み込み、更に動力とする駆動機を雷の術式を施す事で、船体自体が空力を得る。これを操る事で、縦横無尽に空を駆ける乗物にさせるとの説明するが、四大属性知るティエラとリナリーは、何やら掴み所無い話を聞かされた感じで、仕方がない。  四大属性に“風”はある。風魔法で、空を飛び上がる戦術を持つ者が居るのも知る。  但し、それは自身を浮かび上がらせ、空を飛び回るとまでいかない。  それが、駆動機なる動力を持つ飛行船があれば、巨大な物体をも浮かすと言うのだ。それを信じるにも、前例が無いだけに、受け入れられないのだ。 「……と、ジュの飛行船は、そんな感じで飛ぶんだけど、なんか、いまいち説明足りてないかな??」 「いいえ、お話ありがとう御座いました。少し、私達では、ご理解出来ないだけです。その、飛行船とお呼びになる乗物ですが、私達が乗車しても大丈夫なのでしょうか?」 「うん、シトお兄ちゃんのご注文で、十人位乗れる小型を造ってるの。もう少し時間貰えば、武装も整えるんだけど、今回は急ぎって事だから、途中補強しながらにするつもりです」 「――?? 良くわかりませんが、大丈夫なのでしょうか?」 「乗り心地なら、問題ないよ。ジュは、お空の快適な旅に拘りあるから!」  譲らぬの職人魂。そんな一面が見える一言に、樹里らしいと、シトと黄華は、薄く口を吊り上げ。   「樹里の飛行船は、本当に頼もしい。ティエラさん 、リナリーさんも安心すると良いです。さて、挨拶と説明も終えましたので……」  再度、具体的な事を確認する様に切り出す。飛行船は、樹里が間違い無く完成させる。それに合わせやるべき事は、まずイガリマ大臣にティエラを連れ出す件についての返事を確認する。  これが根本的に否認されると、ティエラは、お留守番となるが、シトは妙案があるので、問題ないと考えている。最初に、ティエラをアルタート大陸へ連れ出したいと話すれば、イガリマ大臣が取り乱すはず。漸く安定してきたディリース王国であるのに、他の大陸へ同行させると言うのだ。  ――許可など出したくないだろう。  ただ、大陸への移動が数時間、しかも一週間したら戻れると、説明をすれば話は、変わるはず。  そんな事出来る事ないだろう。と、普通の相手なら、切捨てられるだろうが、相手は、カヅメ・シト。四大巫女を救い、王国への陰謀者、暗殺ギルド捕獲、ワイバーン強襲撃退、挙げ句、推薦した護衛の圧倒的強さ、何をとっても常識が通じない。  しかも、同行の間、ティエラの警備は勿論だが、四大巫女だと悟られないようすると言えば、どうだろうか。

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