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割れたガラスの部屋の中から女性の叫び声が聞こえた。
「さあ、逃げよう!」
上月は、明日香の手をとり坂道を下って降りた。
割れたガラスの部屋からは、上半身裸の若い男が顔を出して辺りをキョロキョロ見回していた。
二人は元に停めていた4駆に両サイドから乗り込んでドアを同じく閉めた。
エンジンを掛けて車を出した。ハンドルを切りながら、上月は明日香に言った。
「君は投手としての、いい素質があるよ」
明日香は、先ほどの涙が嘘のように本来の彼女らしい少女のような笑顔を上月に見せた。
おわり
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