【春】2.無知のオメガ

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「次の条件に入ろう。これからお前の行動は保護協会が監視することになる」 「僕がオメガだから、悪事に巻き込まれるかもしれない……だから、僕を監視するんですね」  聖の予想に、トラが「正解」と頷いた。大げさに拍手までつけて、にっこりと笑みを浮かべている。 「安心してね。あんたを監視するのはオレたちだから。オレもリュウも保護協会の人間なんだ」 「俺たちが監視し、場合によってはお前を保護特区に移送する。これがお前を学園に帰すための条件だ」  監視とは耳障りの悪い言葉だ。それが聖を守るための行動だとわかってはいつつも、罪を犯した者だと言われているようで気分はよくない。  だが、逆らえない。学園に帰るためにはこの条件を受け入れなければならないのだ。 「わかりました。僕を、学園に帰してください」
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