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「奇跡だよ。あれだけ色んな人たちと発情期中にセックスして、よく一度も妊娠しなかったね」
「こんな例は初めてだからな。お前が眠っている間に調べさせてもらったが、繁殖能力は正常だ。つまりお前は、妊娠せずに遊び回ったラッキーボーイってことだ。とはいえこれからはわからないけどな」
聖は首を傾げた。
「だって、愛し合っていないんだから妊娠なんてしませんよ」
「……は?」
「好き同士で愛し合う人たちの間にしか子供はできないって学びました」
聖の発言に、リュウは頭を抱えた。トラもぽっかりと口を開けて聖を見ていたが、少し経ってからどっと笑い出した。
「あんたサイコーだよ。コウノトリでも信じているのかな。羽流学園ってところは随分とほのぼのしているんだね」
「コウノトリはさすがにないですけど、愛がないと出来ないって……学園で教えてもらって……」
「アハハ! ねえ、聞いた? この子、本当にまともな育ち方していないんだね」
「……頭が痛い」
二人がどうしてこのような反応をするのかはわからないが、きっと間違えたことを言ってしまったのだろう。期待を裏切ってしまったのだ。
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