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翌朝。目が醒めると、待ち望んでいた発情期に入っていた。聖の予想通りである。
こうなってしまうと薄い寝間着でさえ煩わしく、破り捨ててしまいたくなる。吐く息荒く、ベッドの柵にしがみついて身体を震わせる聖の様子に、ルームメイトの信清が声をかけた。
「大丈夫か?」
「た、ぶん……っ」
立ち上がれば膝が笑う。かくかくと震え触れあう肌に反応し、膨れ上がった自身が寝間着を持ち上げた。
信清からすれば、この状態はもう慣れてしまったもの。色香を纏った聖の姿に動じず、淡々としていた。
「先生にはいつもの体調不良だって言っておくから。あと、予約した子たちにも話しておく」
ベッドサイドの薬を取ろうとする聖は陸を歩く亀のようで、信清は聖の行動を待たずに部屋を出て行ってしまった。
授業は、欠席になる。この期間のことは担任もよく知っているのだ。だから時間を気にすることなく、しかし制服は着る。この格好のまま寮を出るのは恥ずかしいという、聖なりの美意識があった。
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