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「……ぁ、」
ずるり、と太股を通り過ぎていく布の感覚。汗を吸い込んで重たくなっていたズボンと下着を脱がされ、臀部が外気に晒されたのだ。
不意の出来事に、吃驚の声が漏れてしまった。
この体勢では秘部が丸見えになってしまう。足を閉じようとしたが、聖の抵抗を予期していたリュウの腕が割り込んでいて閉じることができない。
視線を、感じた。
トラに舌を弄ばれている状態ではリュウの姿を確認することが出来ず、剥き出しの太股にかかる吐息しかわからない。羞恥心がこみ上げて頬がより熱くなる。
伸びた指先は後孔を通り過ぎ、両足の間で重力に逆らって主張する聖自身に辿り着いた。
発情期によって敏感になった男根は、キスだけで興奮して身を固くしていたのだ。それを直接触れられてしまえば、身体がびくりと跳ね上がる。
「あ、そこはっ……!」
「オメガの発情期ってのは恐ろしいな。犯されようとしているのに勃ってやがる」
聖の反応を楽しんでいるのか、リュウの音に興奮の色が混じっていた。
ぷるぷると震える聖自身を握りしめ、誘うように根元から擦り上げる。リュウの大きな手が容易く包み込み、薄皮を押し上げる血管や流れる血も逃さず捕らえるように。
だが先端までたどり着くと、指先は力を失い、離れていった。
何度も動いては止めを繰り返し、その指先が優しすぎるものだから尚更。発情期の身体は刺激を求めてしまう。物足りなさに腰をくねらせながら呟く。
「じ、焦らさな、いで」
「なんだ? どうしてほしいんだ」
「……気持ちよく、してほしいです……もっと扱いて……」
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