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たがそのは鼻で笑われた。
「勘違いしないでね」
顎を持ち上げられ、トラと目が合う。
「オレたちはさ、あんたを求めてセックスしているんじゃないよ。あんたが気持ちいいとかよくないとか、そんなのどうでもいい」
学園の人間たちは聖を貴重品のように丁重に扱ってきた。自身の欲を満たす代わりに、聖の欲も満たす。ギブアンドテイクの関係だった。
しかし、リュウとトラは違う。彼らは自分が満たされればいいのだ。
それを証明するように、隠すものもなく晒け出された後孔に違和感が走った。
「……く、あ、」
ほぐす優しさはない。まだキツい場所に指が二本ほど差し込まれ、痛みに聖の顔が歪む。
「い、たっ、痛い……」
「あんたはコッチ」
聖の鼻先に突きつけられたのは、大きくそびえ立つトラの肉欲。大きさだけではなく、硬さも形も、どれを取っても聖を超えている。
まさか、これを咥えろというのか。だがトラは、躊躇う聖の髪を容赦なく掴み、唇に押し当てた。
「歯を立てたら殺すから」
冗談ではないのだと、地を這うように低い声音が告げている。諦めて、舌先を押し返すほど硬いそれに舌を這わす。血管を歪に浮き上がらせた欲の塊は、雄の味がした。
舐めるだけの行為を焦れったく感じたのか、聖の頭を無理矢理に動かして口の中に収めていく。掴まれた髪の痛みと喉まで広がる苦しさに、目の端に涙が浮かんだ。
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