【春】2.無知のオメガ

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【春】2.無知のオメガ

 目覚めた時、そこは見知らぬ部屋だった。馴染みのない天井から察するに寮の自室ではない。  重たい体をゆっくり起こし改めて確認をすれば、消毒液の臭いが鼻に沁みる。さらに、白で統一された内装やパイプベッド。手には点滴のチューブが繋がれていた。  辺りを見渡しながら、聖は意識を失う前のことを思い返す。倉庫にやってきた二人組や絶望していた理事長の顔――行為の跡が残っているのではないかと、胸元や足を見るがあれは夢かのように綺麗になっていた。
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