はじめに~過敏な耳

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そばに寄った小さい子が、耳元で内緒話をするものだから、 「ひゃっ!」 と身ぶるいし耳を押さえて真っ赤になった。 子どもにまで何、感じてんのと、それを見てた人に呆れられた。 思い出すだけでジンジンするそんな恥ずかしい体験はさておき。 私の聴覚はどうやら敏感よりむしろ過敏で、社会生活に少々不便だったこともあったので、 いかに聴覚を鈍麻させるか?ということに熱心に生きてきた。 だからもう、ね。 全部右から左だから。 ましてあなたの愛の囁きなんて(笑) 耳、とか、音、にまつわる独り言を書いていこうかなとふと思ったのです。 私を造ったモノたち 私が忘れようとしているモノたち 好きなのに逃げてしまったモノたちへ 感謝を込めて。 でもタイトルが「過敏」じゃあんまりだから、「花瓶」にしといた。
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