君のせい。その後。

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何となく、友人たちと同じものを選んだ。勇気をだした彼らにあやかりたいと、思ったからかもしれない。 「ねぇ、これ難しい。」 「金魚よりは簡単だよ。」 「だってもう破けた。」 「早っ!おじさんおじさん!もう一回分!」 達也くんは、当たり前のように私の分のお金をおじさんに渡す。そして、 「はい。」 とびきりの笑顔でアミを手渡してくれるのだ。 「有り難う。…下手でごめん。」 「いやいや、屋台の遊びで真剣になりすぎだから。朱里ちゃん、どれ欲しいの?」 「あのピンク。」 「ok!」 周りから見れば、恋人に見えるだろうか。見えてるといいな。 「………。」 噤んでいる口に、火照る頬。 (私きっと、いい意味で少しバカになった。)
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