君のせい。その後。

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「うっ!うっ!……う~。」 「いい加減、泣き止んでよウザイな。」 「だって、まさか。ヒック…まさか朱里ちゃんが…俺、もう正直駄目かと…うぅ~。」 神社のベンチに座って、泣いている達也くんの背中をさする。 「俺。」 「うん?」 「俺も、朱里ちゃんのこと、好きだから。」 「うん。」 「愛しいから。」 「知ってるよ。」 「う…うわーっっ!」 「だから何でそんなに泣くのよ。」 最早、肩を落としていたその時、 「おーい!朱里ちゃーん、たーくーん!」 「菜乃っ!危ない!」 菜乃ちゃん…否、桐山夫妻の到着である。 「結弦くーん、掌擦りむいたぁ。」 「あっちに水道あるから行くぞ。」 「でもでも朱里ちゃん「早く立つ!」 そして、引きずられて行った。 (何だったのかしら。) 「あれ?たっくん、何で泣いてんの?」 「『告白した』って、連絡貰ったから来たんだけど…。」 しかし入れ違いで、奏多くんとさくらがやって来た。 「たっくん、またフラれたの?」 「フラれたんじゃねーよ!六年越しの片想いが実ったんだぞ!少しは泣かせろ!」 「六年!?」 「確かに…数えるとそうなるわね。そう思うと…。」 (凄い。) と、その場にいた全員が思った。 「『少し』じゃないじゃない。いつまで泣いてんのよ。」 「いつから泣いてるの?」 「花火が終わってから。」 「たっくん…それは直ぐに泣き止まないと、折角実った片想いも粉砕寸前の危機だよ。」 「なっ!?ま!マジか!ちょっ!朱里ちゃん!直ぐに泣き止むから!」 (本音は別に、どうでもいいんだけど…面白いからいいや。) 「あと、十秒~。」 「え゛!マジか!」 「九~、はーち…。」 私が貸したハンカチで、必死に目をおさえている。その姿を微笑ましく思えてしまうのだから、やっぱり私は、いい意味でバカになったのだ。
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