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狭いがコンパクトにまとめられてあり、長年使わせて貰ったスタッフの休憩室を知恵は最後にひとしきり見回した。
バイト仲間で休憩時間などでお喋りをした想い出が再び自然と巡ってくる。
ドアの前で小ぶりのバッグを両手で身体の前に持ち、知恵は深々とその誰も居ない部屋に頭を下げた。
ドアを開け通路を店内へと向かった。
知恵の姿を見て調理場のコックさん達が知恵に寄ってきた。
各スタッフへの最後の挨拶はすでに制服姿の時に今日済ませてあったので、みんなは笑顔で手を知恵に差し出しただけだった。
知恵はそれぞれに笑顔で握手をした。
なんど「お世話になりました」と言っても、これが最後なんだと思うたびに知恵は目頭が熱くなった。
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