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大学、か。
たかちゃん、きっとすごく行きたいんだろうな。
そう思うとぜリーを食べるペースが落ちていく。
「たかちゃん……」
「ん?」
「大学、行きたい?」
聞いてみると、すぐにたかちゃんは頷いた。
「もちろん。元気な身体なら毎日行きたいよ」
そうだよね、昔からたかちゃんはそうだった。
小学校も中学校も高校も。
行ける時間は限られていて、いつも行きたくてたまらないって言っていた。
「ただ、当たり前の普通の生活がしたいだけなんだけどな、どうしても俺の心臓は思い通りにならなくて困るよ」
白い歯を覗かせて明るく話しているけど、私には辛く泣いているように見えてしまい、切なくなってしまう。
たかちゃんは知っている。自分の身体のことを。
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