キミがいてくれれば、強くなれる

6/14
172人が本棚に入れています
本棚に追加
/238ページ
だから私にだけ話してくれた。 未来が短いことを――。 それなのに、どうしてたかちゃんはいつも笑っていられるんだろう。 たかちゃんが笑っているなら、私も笑わなくちゃ。 幸せな私を見せなくちゃって思ってきたけど……聞いてもいいかな? 私にだけ話してくれたからこそ、聞いてもいい? 想いは溢れ、尋ねてしまった。 「たかちゃん……」 「ん? どうした、芽衣子」 「たかちゃんは、怖くないの? ……不安じゃない?」 もし、私が自分の立場だったらって考えたら、不安で怖くて仕方ない。 たかちゃんは違うの? たかちゃんの本音が聞きたくて、ジッと見つめてしまう。 するとたかちゃんは大きく目を見開いた後、困ったように眉尻を下げた。 「そりゃもちろん怖いし、不安だよ。俺に明日が必ず来るって保証はないしな」 そう言うと、たかちゃんは初めて本音を話してくれた。
/238ページ

最初のコメントを投稿しよう!