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大きな胸元に頬を寄せると、彼の心臓の鼓動が響いてくる。
たかちゃんは生きている。
病気を抱えている心臓だって、動いている。
それなのに、本当に近い未来、この心臓が止まってしまう日が訪れてしまうの……?
たかちゃんの本音に触れて、迷いが生じてしまった。
本当にこのまま、たかちゃんの気持ちを考えて奈々美さんたちに、本当のことを話さなくてもいいのか。
たかちゃんだって、後悔したくないからこうやって私に、精一杯の気持ちを伝えてくれているんでしょ?
それなら奈々美さんやまーくんにだって、伝えたい想いはたくさんあるはず。
それを直接伝えなくてもいいの?
そばにいて強くなれたのは、私の方なの。
そんな私にたかちゃんにできることってなにかな?
自分が幸せになること以外、できることはないの……?
込み上げてくる想いに、心は乱されていくばかりだった。
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