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奈緒は両手で顔を覆い、声を上げて泣いた。
神田は泣いている奈緒をただじっと見詰めていた。
奈緒が自分の頭を神田の胸に押し当てた時、はじめて神田は奈緒を抱きしめてやった。
奈緒は時間をかけて泣き続けた。
時間とともに奈緒の嗚咽は小さくなった。
神田はただじっとその間も奈緒を抱きしめていた。
泣き止んだ奈緒は、ゆっくりと神田を見上げた。
少し微笑んで神田は奈緒を見た。
そしてひとつ頷いただけで、奈緒を抱き締めたまま歩き出した。
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