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「罪悪感・・・」
と奈緒が独り言のように言った。
「なぜ?」
神田が奈緒に聞いた。
「だって、彼を裏切ったわ私」
「別に裏切ってないさ」
「さっき、あなたとキスしたわ」
神田が立ち止まった。
奈緒もつられて立ち止まった。
二人は道の途中で差し向かいになった。
「あれは嘘のキスだ」
「嘘のキス?」
「そうだ」
「なによ、嘘のキスって?」
「気持ちが全然入ってないから」
奈緒は再びキョトンとして長身の神田を見上げた。
「そんなのあるの。嘘のキスって」
「あるさ」
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