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奈緒は、左手に持つスマートフォンにパスコードを素早く打ち込んだ。
かなり手馴れたフリック入力で指を動かしていく。
見慣れない者がその動きを見ると、本当に読み取れているのだろうかと疑うくらいの速さで表示文字が過ぎていく。
送りながら時折指の動きを止め、再び表示画面を替えていく。
そしてある名前のところで、奈緒は小首をかしげた。
表示画面を眺めながら、奈緒はビールを一口飲んだ。
そして綺麗にマニュキアの塗られた指で、これまた器用に画面をプッシュしていった。
文字は『飲みたい。グランブルー』とだけあった。
最後のプッシュと共に送信音が小さく鳴りメールが送信された。
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