やけ酒

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グランブルーというのは、今奈緒がいるBARの名前だった。 名前の通り店内は深いブルー調で彩られており、まるで深海に居るような錯覚になる造りの店内だ。 青木が気に入ってる店で、半年ほど前に連れて来られて奈緒も気に入った。 同僚の女友達も数人連れてきたが、みんな雰囲気がいいと気に入ってくれた。 青山と奈緒はすでに8ヶ月前からスティディの関係となっている。 見慣れた店内を見るともなく、奈緒は半年前に来た頃を思い出して眺めた。 手元のグラスにはビールがすでに残り少なくなっている。 その最後の一口を飲み終えた時に、奈緒のスマートフォンの着信メロディーがまだ客のいない店内に響いた。 スマートフォンの画面を人差し指で横にスライドして、、画面をみた。 『後20分』 とだけ、表示画面にはあった。 それを見た奈緒は椅子に座りなおして、ひとつ溜息をついた。 そしてバーテンにビールのお代わりを告げた。
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