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「俺、あゆむってんの!高校生。 お前は?」
人懐っこい犬みたいなあゆむは、女みたいな顔をして俺の隣にどっかりと胡坐をかいた。
ギターケースの楽譜を見ながら、時々俺を見上げてはうっすらと笑っていた。
「・・・高校生だけど」
しゃべるのが苦手な俺は、低音すぎる声で答えた。
顔に似合わないぐらい低くなっちまった自分の声がどうも恥ずかしくて・・・。
「ええぇぇぇ、その地声。すんげぇ、カッチョイイ!!」
あゆむは女みたいにはしゃいで、俺の低音ボイスを褒めてきた。
こいつは本気で俺と友達になりたいのだろう、と感じたけど・・・
裏切られた経験が邪魔をして、俺はすぐに自分の音の世界に引き籠った。
「・・・その、マイペースなところもすんげぇ良いね!!俺は好きだぜ!!」
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