第1章 こうじ one

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一人で練習させてくれない様子のあゆむは、いちいち俺のなにかを指摘しては持ち上げてくる。 最初は胡散臭いなって思ってたけど、なんだろうな・・・。 言われているうちに、徐々に気持ちが明るくなってくる自分がいた。 その日から、俺達はこの場所で毎日のように顔を合わせた。 出会いから一週間が経ったとき、突然。 あゆむが歌い出した。 軽快な声質が軽やかに風にとけているようで・・・ 歌って才能なんだなって、この時初めて他人のことで感動したのを覚えてる。
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