2.希望の(?)依頼

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2.希望の(?)依頼

 約束の時間にノックをされて、東吾はいそいそと対応に出た。 「メールをさせていただきました、玉井です」  軽く会釈をしたのは、四十代前半とおぼしき生真面目を絵にかいたようなスーツ姿の男だった。細面に銀縁眼鏡。髪はきっちりと後ろに撫でつけられている。 「雨宮です。どうぞ」  応接室のソファを勧めた東吾は、パーテーションの奥に「いらしたぞ」と声をかけて台所に向かい、人数分のコーヒーと買ってきたケーキを出した。 「甘いものが苦手じゃなければ、いいんですけど」  そう言ってコーヒーとケーキを勧めると、玉井は意外だと言いたげに眉を上げた。 「おい、昭」 「すぐに行く」  めんどうくさそうな声の後に現れた昭が、無遠慮に玉井を観察する。玉井はすぐに名刺入れを取り出して、ふたりに差し出した。 「改めまして。株式会社クトーユの玉井幸太郎です」  名刺を受け取った東吾が玉井に座るよううながして、自分も腰かける。その隣に落ち着いた昭が、名刺をまじまじとながめてコーヒーに砂糖を入れた。 「それで、ご依頼というのは」     
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