1.カルネ電脳探偵所

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「おう、おつかれ。あんまり根を詰めると、眉間のシワが取れなくなるぞ」  軽口を叩いた東吾に、昭はけわしい顔をした。 「誰かさんが役に立たないから、僕が苦労をしているんだろう」  声質はやわらかいのに、言葉はとげとげしい。 「役に立ってんじゃねぇか」  ちっとも機嫌をそこねずに、東吾は「ほら」と手のひらでローテーブルの上を示した。 「こうやって飯を作っているし、掃除だって俺がやってんだろ? ほっとくと、おまえロクなもん食わねぇし、すぐにゴミまみれにしちまうだろうが」  ほら座れと手振りでうながし、東吾はフォークを手に取って食べはじめた。 「……なんで、ケチャップで名前を書いているのさ」 「わかりやすいだろ?」 「書かなくても、量が違うんだから間違えるわけがないだろう。それに、なんで焼きそばじゃなくて、焼きうどん? だいたい――」 「ぶつぶつ言ってねぇで、さっさと食えよ。冷めちまうし、仕事、まだ終わってねぇんだろ」  ふうっと息を吐いた昭が、ちっともおいしくなさそうに食べはじめる。それを東吾はニコニコとながめた。 「で、どうなんだ。進行具合は」 「あんなもの。僕にかかれば簡単だよ。――まったく。どうしてあれが見つけられないのか、さっぱりわからないな」     
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