152人が本棚に入れています
本棚に追加
/216ページ
東吾は免許取得者だった。
しかし、ダイヴァーのみでのダイヴは禁止されていた。ダイヴァーは深部にまで意識を送るため、現実がおろそかになってしまう。意識が浮上できなくなる危険性や、破損をする場合もあるのでサポート役が必要だった。
サポート役は文字通りサポートや監視をおこなう。昭はサポートのライセンスを持っていた。
ダイヴァーとサポーターは、スキューバダイビングのペアとなぞらえて、バディと呼ばれていた。
ダイヴァーはサポート役に命をあずける。サポート役はダイヴァーの意識や肉体のメンテナンスをおこなう。
それが基本の立ち位置なのだが。
(ほっとくと、昭は飯もろくに食わねぇからなぁ)
家事が嫌いではない東吾は、いそいそと事務所内の掃除や昭の健康管理をしていた。まれに昭のマンションの部屋の掃除まで、頼まれてもいないのに引き受けている。
(まあ、ダイヴの仕事がなけりゃあ、俺ぁ役立たずだしな)
最初のコメントを投稿しよう!