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『誰か』
「二十歳おめでとう! かんぱーい!」
「ほんと、久しぶりだよなぁ。小学校卒業以来じゃね?」
「全員参加ってうちのクラスだけみたいだよ?」
「うちのクラス超仲良かったもん」
「なんかあったよね? クラスのキャッチコピーみたいなの」
「あったあった! なんだっけ?」
「あれだよ、ほら。ええと」
「思い出した! “熱く、仲良く、楽しい六年二組!"」
「あー、そうそう! それ!」
「今から思えば意味わかんねぇ。熱くってなんだよ」
「超ウケるー」
「こうやって何年経ってもみんなで笑い合えるとかさ、やっぱ仲間っていいよな」
「なにお前、しみじみしちゃってんの」
「うるせぇよ。お前笑いすぎ」
「腹いてぇ。ツボった」
「そういえば思い出した。お前、卒業式の時もなんかにツボって式の間ずっと笑ってたよな」
「そうそう、あれだよ。卒業式のちょっと前に死んじゃったやついたじゃん? 校長が真面目な顔でそいつの名前も読むから、『いや、そいついねぇから!』ってツボった」
「あぁ、そういえばいたな」
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